奥村組の歩み
歴史のはじまりは、
「挑戦する」という決意
1907年
奥村太平が土木建築請負業を創業
1907年(明治40年)2月22日。5日前に父が亡くなり、母と幼い弟や妹の生活が太平の肩にかかってきた。「いかなる難局でも飛び込んで忍耐する覚悟がある。他人が難しがって尻込みするような業務に就きたい」このような決意を持って土木建築請負業の世界に入る。奥村組創業者・奥村太平27歳の旅立ちであった。
1921年
奥村組発足
本店事務所を奈良県北葛城郡下田村に開設した。
奥村組の第1号工事
「大正水力電気神戸幹線第2工区
特高送電線建設工事」を受注
1924年
大阪市に奥村組本店を開設
1938年
株式会社奥村組を創立
奥村太平個人経営奥村組の事業一切を継承し、株式会社奥村組が誕生した。
1955年
浪花のシンボル通天閣を施工
戦時中に解体された通天閣の復活を願う地元新世界の人々の熱意に応え、再建に取り組んだ。
約1年の超突貫工事の末、高さ103mの「二代目通天閣」が完成した。
技術を磨き、追求し、
業界をリードする
パイオニアとなる
1962年
「奈良県庁舎建築工事」を受注
落札後、奥村太平は「誠実に良い仕事をして、なるほど奥村組にさせたので立派にできたといわれぬといけない」と訓示した。工事期間2年3カ月余、奥村組渾身の奈良県庁舎は1965年3月に完成。翌年10月、奥村組初となる『建築業協会(BCS)賞』を受賞した。
1965年
日本初の泥水式シールド工法
「OCMS工法」を開発
昭和43年4月19日、かねて特許出願中であったシールド工法の掘削装置について特許が確定、特許番号第516245号が登録された。経済的で安全な上に短期間で施工できるシールド工法は、騒音防止や街の美化にも寄与し、急速に全国の都市に拡大した。
1986年
日本初の実用免震ビル完成
他社に先駆けて免震構法を実用化することを目的として、1980年に免震の研究に着手。
奥村組が実用免震ビルを建設するという情報が流れると、免震への注目が急に高まり、その後、大手各社が次々と免震ビルの建設に参入した。
当社は、1986年に日本初の実用免震ビルとなる奥村組 技術研究所 管理棟を完成させ、免震のパイオニアとなった。
さらなる技術の追求
1996年
世界初、
国宝を守る免震展示ケース
2000年
世界初、
灯台のレンズ免震装置
2001年
世界初、
全断面斜坑TBMで貫通
長大斜坑を短期間かつ経済的に施工するため、世界で初めての試みである全断面を一度にTBMで掘削する工法を採用した。
『2005年度 土木学会技術賞』、
『2022年度 日建連表彰土木賞』受賞
ハニカムセグメントを用いた
同時施工が国土技術開発賞
最優秀賞を受賞
シールドトンネルの急速施工を実現するため、シールド掘進とセグメント組立の同時施工の研究過程で開発したわが国で初めての六角形のセグメント。組立後の形態が蜂の巣(honeycomb)状であることから「ハニカムセグメント」と命名した。
2006年
「三重県立熊野古道センター」が竣工
135mm角の木材を接着剤を使わずに組み合わせて構築した建物であり、木材資源の活用と森林資源の活性化に資する試みが高く評価された。本建物は、『第13回公共建築賞』、『JIA優秀建築賞』(2009)、『日本建築学会作品選奨』(2009)、『第49回BCS賞』、『第40回中部建築賞』を受賞した。
受け継いだ100年を
新たな時代へと
つないでいく
2007年
創業100周年
創業100周年を迎えられたことに感謝の気持ちを込め、ゆかりの深い奈良の地に「奥村記念館」を開館した。
2014年
「アクティブ消音技術」を開発
建設機械や産業機械から発生する騒音をスピーカーから出る音で打ち消すアクティブ消音技術を開発。日経テクノロジー展望2020 世界を変える100の技術(日経BP社)に掲載される。
2016年
技術研究所管理棟において、竣工30年目の免震性能を実験により確認
日本初の実用免震ビルである奥村組技術研究所管理棟において、竣工30年目の免震性能を実験により確認。「免震のパイオニア」としての技術力を広くアピールすべく、実験の様子をメディアに公開するとともに、日本経済新聞に一面広告を掲載。この30年にわたる研究成果が評価され日本免震構造協会賞『普及賞』を受賞した。
2020年
技術研究所の実験施設の
大規模リニューアル
「室内環境実験棟」を新設するとともに、「管理棟」をZEB化改修するなど、既存の実験施設の機能を大幅に向上させるリニューアルを実施した。
2022年
木造建築で循環型社会の実現へ
木造建築の「流山市立おおぐろの森中学校」を施工。地域に縁のある木材が活用されるとともに、高耐力市松状耐震壁などの新たな技術が採用され、機能性・デザイン性に優れた校舎として、「令和4年度 木材利用優良施設等コンクール」(木材利用推進中央協議会主催)において『内閣総理大臣賞』を受賞した。