免震レトロフィット
「免震レトロフィット」には、免震装置を組み込む位置によって「基礎免震」と「中間階免震」の2つのタイプがあります。「基礎免震」では、建物の基礎部分に免震装置を挿入し、建物全体を「免震建物」にします。一方「中間階免震」では、建物の特定の層に免震装置を挿入し、この層から上部を「免震建物」にします。
「免震レトロフィット」では、建物の外観・内部空間をほとんど変えることなく、それまでの使用性をそのまま維持できることと、建物を使用しながら免震改修が実施できるというメリットがあります。そのため、建物の形状を変えたくない歴史的建造物や、博物館・美術館といった貴重品を収納している文化施設などの保存・保護に適しているといえます。また防災拠点および、継続使用を求められる庁舎や病院などの改修にもおすすめです。
「免震レトロフィット」では、建物の外観・内部空間をほとんど変えることなく、それまでの使用性をそのまま維持できることと、建物を使用しながら免震改修が実施できるというメリットがあります。そのため、建物の形状を変えたくない歴史的建造物や、博物館・美術館といった貴重品を収納している文化施設などの保存・保護に適しているといえます。また防災拠点および、継続使用を求められる庁舎や病院などの改修にもおすすめです。
「免震レトロフィット」の工期は、建物規模、免震化の位置などの諸条件によって異なりますが、基本的に免震装置を設置する階に限定した工事となるので、耐震補強に比べると、一般的に工期は短くなります。
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採用事例
奥村組東京本社ビル
奥村組は関東圏における事業継続性を向上させるとともに、大地震発生時の活動拠点を確保することで復旧活動等の建設会社としての社会的責任を果たすため東京本社ビルに免震レトロフィットを適用しました。地上9階、地下3階の建物の1階柱頭に免震装置を挿入する中間階免震とすることで、基礎免震に比べ約40%のコスト低減を実現しました。
改修工事中の外観(業務継続) | 工事中の仮設耐震壁 |
改装後の外観 | 改装後の内観 |
備讃瀬戸海上交通センター(局舎)
備讃瀬戸海上交通センターの管制室では、24時間365日の監視体制で瀬戸内海の安全を見守っています。大地震時における安全性を高めるため同センターの耐震改修を進めるにあたり、各工法を検討した結果、建物はもちろん管制機能を維持できるよう免震レトロフィットが採用されました。
1階の柱に免震装置を組み込みましたが、海上交通の安全確保という重要業務を中断することなく無事工事を終了し、地震時の安全性を大きく向上させました。
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