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2025/12/11

日建連表彰 第6回土木賞を受賞しました

 当社を幹事会社とする共同企業体が施工した「千代田幹線整備事業」が、日建連表彰第6回土木賞(一般社団法人日本建設業連合会主催)を受賞しました。同賞は、社会基盤として国民生活と経済活動を支える土木分野の優れたプロジェクト・構造物を表彰するため、2020年に創設されたものです。
〇日建連HP 第6回土木賞受賞案件
https://www.nikkenren.com/doboku/prize/award/2025/

 東京都では、法定耐用年数を超えて老朽化した下水道管が増加していることから、1995年より再構築事業に着手しています。そのうち千代田幹線整備事業は、泥水式シールド工法により、老朽化した既存6幹線に代わる管渠(千代田区飯田橋から港区港南まで全長8.7km、仕上がり内径φ4,900mm)を地下約50mの大深度に構築するものです。
 都心部を縦断することから中間立坑を設置することができず、1スパンが日本最長の下水道シールドとなりました。加えて、地下鉄や東海道新幹線、皇居・内堀通りなど重要構造物との縦横断・併走区間があるほか、発進基地が狭隘であるなど複合的な課題があり、極めて困難なプロジェクトでした。


千代田幹線整備事業概要


 これらの課題解決のため、以下のような対策や工夫を講じました。

・長距離対策
 カッタービットには優れた耐摩耗性を有する「スタミナビット」を使用することで耐久性を確保するとともに、機械的にビット交換を行う「スライドカッター工法」を採用し、カッタービット摩耗対策を行いました。
・大深度(高水圧)対策
 全ピース同一六角形状軸方向挿入型の「ハニカムセグメント」を採用し、組立精度および剛性を向上させ止水性を確保しました。また、テールブラシを3段配置として、2・3段目の間に緊急止水装置を設置しました。
・狭隘な発進基地ヤード対策
 防音ハウスを3階構造として延床面積を確保するとともに、泥水処理設備の省面積化を図りました。

 このほか、AIモデルでシールドマシンの掘進方向予測と操作シミュレーションを行う「AI方向予測システム」と、切羽断面内の地盤構成を可視化し地盤の変化を把握できる「切羽可視化システム」を活用し、掘進管理を適切に行いました。


3階建ての防音ハウス断面図



 上記のような対策を講じ、約10年の歳月をかけて、都心部を縦断する過去に類を見ない超長距離・大深度の下水道構築を成し遂げたことが、日建連表彰土木賞に値するものと評価されました。

記念写真



シールド機























 シールドトンネル(ハニカムセグメント)


一般社団法人 日本建設業連合会
ENAA 一般財団法人エンジニアリング協会
公益社団法人 土木学会
一般社団法人日本建築学会
一般社団法人 日本建設業連合会
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