ニュースリリース
自社の社員寮に木造ハイブリッド構造を採用~国土交通省の優良木造建築物等整備推進事業に採択~
株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:奥村 太加典)は、ESG/SDGsへの取り組みの一環として、新たに建設する自社の社員寮(埼玉県川口市、地上8階建て、部屋数60室)に木造ハイブリッド構造(木造とRC造の混構造)を採用し、2023年11月1日に着工しました。
建物の3~8階部分が木造で、約250m3の木材を使用する計画としており、木材利用による炭素貯蔵量(CO2固定量)は約170t※1と見込んでいます。
なお、本建物は国土交通省の「令和5 年度優良木造建築物等整備推進事業※2」に採択されています。
※1 林野庁「建築物に利用した木材の炭素貯蔵量の表示ガイドライン」による
※2 優良木造建築物等整備推進事業:国土交通省がカーボンニュートラルの実現に向け、炭素貯蔵効果が期待できる木造の中高層住宅・非住宅建築物について、優良なプロジェクトを実施する民間事業者等に対して支援を行う制度
■建物概要 / 木造ハイブリッド構造の採用
本建物は、建設地が荒川洪水ハザードマップの浸水想定区域にあるため、1・2階をRC造、3~8階を木造(一部RC造)とする木造ハイブリッド構造を採用しました。また、1・2階間に免震層を有する中間階免震構造としています。
高さ10mを超える中層以上の木造建築においては、地震発生時等の水平方向に対する建物強度の確保が課題となるため、本建物では木造ハイブリッド構造(一部RC造)にするとともに、免震構造を採用し、木造躯体の負担する水平力を軽減しています。また、スラブ等にはRC造を採用し、床の遮音性の確保および風揺れ対策を講じています。
本建物の全体構造
■木質耐火部材を採用
当社は、株式会社シェルター(本社:山形県山形市、代表取締役社長:木村仁大)とOEM契約を締結し、同社が保有する木質耐火部材を自社の木質耐火部材「SHIELD WOOD(シールドウッド)®」として、本建物3 階から8 階の柱・梁に採用します。
木質耐火部材(SHIELD WOOD)の構造
■屋内にも木質材を多く採用
社員が自然素材の癒しや温もりを感じてリラックスできるように、仕上げ材の多くに木質材を採用しています。寮室においては、戸境壁にCLT材(直交集成板)の耐震壁を使用し、天井部は、杉板による木現し仕上げとしています。
寮室内イメージ
食堂イメージ
■今後の展開
当社は、「人と地球に優しい環境の創造と保全」を基本理念に掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めており、ESG/SDGsに関わる取り組みをさらに強化していきたいと考えています。今後、本建物の設計・施工で得られる知見やノウハウを活かし、当社が手掛ける建築構造物の木造化・木質化を推進することにより、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
*奥村組西川口寮 施設概要
・用途:寄宿舎
・敷地面積:854.00 m2
・建築面積:370.29 m2
・延床面積:1,809.18 m2
・階 数:地上8 階建て
・高 さ:30.93m
・構 造:1階~3階床まで RC造、
3階柱~8階 木造(一部RC造)、
中間階免震構造(1・2階間免震層)
・耐火種別:耐火建築物
・木材・木質材料の使用量:246m3
・工期:2023年11月~2025年3月
・設計:株式会社奥村組 東日本支社 一級建築士事務所
木造部構造設計協力:株式会社シェルター
技術設計協力:腰越耕太建築設計事務所
・施工:株式会社奥村組 東日本支社
完成イメージ(外観)
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社奥村組 建築本部 建築設計統括部
担当:平野 晋(電話:080-2479-4119)