環境技術
土壌・水質環境修復技術
油汚染土壌の浄化技術
微生物分解処理工法 ~分解能力の優れた微生物が汚染物質を効率よく分解~
微生物を利用して浄化する方法は、一般にバイオレメディエーションと呼ばれています。バイオレメディエーションには、浄化サイトに生息する微生物(土着菌)のみを利用する「バイオスティミュレーション」と、外部から分解能力に優れた微生物(分解菌)を持ち込んで浄化する「バイオオーグメンテーション」という手法があります。このうち、バイオオーグメンテーションは、短期間で効率よくかつ低コストで浄化処理できる手法として注目されています。この手法を用いる場合、事前に採取した浄化サイトの土壌を用いて分解菌による油分分解の確認試験(トリータビリティ試験)を行います。浄化可能と判断されれば、その結果と浄化サイトの立地条件等を考慮して浄化計画を具体化し、効果的な分解処理を図ります。
バイオオーグメンテーションを用いた油含有土壌の浄化技術
外部から分解菌を持ち込んで浄化する「バイオオーグメンテーション」という手法を用いて油含有土壌の浄化を行うものです。対象土壌に生息する土着菌を利用する場合と比べ、短期間での浄化が可能です。
重金属汚染土壌の浄化技術
場外搬出工法 ~汚染土壌を敷地外に搬出~
汚染土壌を敷地外に搬出して対象地の浄化を図ります。汚染土壌の掘削においては、揮発性の有害物質を扱う場合等の簡易テント内での作業、排気の活性炭処理、掘削域内外のモニタリングを適切に実施して、周辺環境への影響を抑制します。また、搬出の運搬経路も含めて環境保全を図る手段を講じます。
- 汚染土壌の掘削
- 埋め戻し状況
- 掘削区域内
※土壌汚染対策法では、最終処分場への搬出、汚染土壌浄化施設への搬出、セメント工場での原料利用が場外搬出の措置方法として認められており、指定区域(土壌汚染対策法において汚染による人への健康被害の防止措置が必要と認められ、法による指定を受けた土地)が解除される措置方法として位置付けられています。
不溶化処理工法 ~汚染物質を溶けにくくし、周辺への流出を防止~
パワーブレンダーによる不溶化処理状況
土壌中に存在する重金属元素を化学的に溶けにくくして、周辺への溶出性を抑制する工法です。重金属汚染に対するトリータビリティテスト等により適切な不溶化処理剤を選定します。パワーブレンダー工法等の鉛直混合方式を用いることで、数メートルの深さまで合理的にカドミウム、鉛、水銀化合物等の不溶化処理を実施することができます。
※土壌汚染対策法では、重金属等による地下水等の摂取リスクに係わる措置の一つとして位置付けられています。
但し、この措置では指定区域は解除されません。
水処理技術
生物接触ろ過法と晶析法を併用した水処理システム
鉄バクテリアの作用を利用して水中の鉄分等を酸化して析出させ除去する「生物接触ろ過法」と微細な種晶の周りに水中のフッ素やカルシウムなどの除去対象物質を結晶化させて除去する「晶析法」とを組み合わせた、重金属等を含有する汚染水を効率的に浄化するシステムです。
オゾンマイクロバブルを用いた油・VOCの高速浄化技術
酸化力の強いオゾンをマイクロバブルとして注入することで、水中のVOCや油を酸化分解処理し、公共用水域や下水道に排水できる濃度まで浄化する技術。薬品をほとんど使用せず汚泥の発生量も少ないため、ランニングコストを大幅に縮減することが可能です。
地下水保全技術
地下水汚染の拡散予測 ~有害物の漏出挙動を予測~
汚染物質の吸着や減衰、地下水密度等への影響を考慮した地下水の移流拡散解析により、地下水汚染の問題や廃棄物処分施設からの有害物の漏出挙動予測が可能です。
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水封工法による汚染物質の漏洩対策事例
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解析結果