土木技術
シールド・推進
ハニカムセグメント
シールド掘進とセグメント組み立ての「同時施工」によるシールドトンネルの急速施工に適した、わが国初の六角形セグメント。覆工内面が平滑であるなど、従来のRCセグメントにはない特徴を備えています。
内水圧対抗型ハニカムセグメント
ハニカムセグメントに嵌合継ぎ手方式(ハニカムロックジョイント)を採用することにより、内水圧が作用するトンネルに対して、所定の強度を備え、急速施工とコストダウンを可能にするセグメントです。
ハニカムセグメントを用いた同時施工法
六角形のハニカムセグメントの特長を生かしてシールド機の掘進とセグメント組み立てを同時に行う工法です。従来の施工法に比べ、サイクルタイムを大幅に短縮でき、長距離シールドトンネルの急速施工に適しています。
ポリリング工法
高密度ポリエチレン製の帯状ライニング材を鋼製セグメント内でリング状に成形、連結して管路を築造する薄肉二次覆工工法です。
分割フード式シールド接合方法
シールド工事において、斜め方向からの接合や非管芯接合に大規模な補助工法を不要とする工法で、コストダウンと工期短縮が可能です。
CV拡幅工法(連続可変拡幅シールド工法)
シールド機が連続的に標準断面から拡幅側に傾斜拡幅し、所定の拡幅断面形状で必要な長さを掘進した後、連続的に傾斜縮幅して再び標準断面に戻すことのできる工法です。
FV拡幅工法(突起型拡幅シールド工法)
突起型拡幅部を有するシールド機で掘削を行い、拡幅の必要な区間のみ突起形セグメントで覆工します。標準部は、円形セグメントを組み立て、発生した空隙部には間詰め材を充填します。
扁平型断面シールド工法
「シールド工法と山岳工法の境界領域」の比較的硬質な地盤を対象に開発した工法で、用途に応じた最小断面を掘削するビームカッターシールド機と薄肉扁平形状のセグメントを用いる2つの技術により低コスト・高速施工を実現する新しい都市トンネル工法です。
スライドカッター工法
地質が大きく変化する地盤や長距離シールドの施工用として開発された、ビット交換作業が不要なシールド工法です。地盤の変化に応じてシールド機内から最適のビットを前面に押し出すことにより、ビット寿命の延命を図れます。
スタミナビット
高い硬度と靭性を有する新合金素材であるSG30を円形状にしたチップを、従来ビットの弱点であったシャンク部に挿入することで、耐摩耗性が格段に向上したビットです。
巨礫を含む礫地盤対応シールド工法
巨礫を含む礫層を泥土圧シールド工法で掘進するにあたり、巨礫を極力小割りせずに取り込みつつ、泥土の流動性を適度に保ち円滑に排土することにより、安全かつ安定した進捗を確保する技術です。安定した掘進を維持することで、電力消費量の低減、工期短縮、ビット摩耗量の低減が可能となります。
切羽水圧安定制御方式「スクラムチャンバー」
泥水式シールドにおいて、切羽のチャンバー(カッターチャンバー)と連通管で接続した「補助チャンバー」をシールドマシンの後続台車に配置し、空気圧併用方式で切羽水圧を安定化する制御技術です。複雑な地盤や高水圧下のシールド掘進においても、切羽水圧の急激な変動を抑制できます。
回収型掘進機(やどかり君)
カッタヘッドの駆動機能を内殻に、推進・曲線機能を外殻に装備し、その中間部に調整部材として中殻を装備した3重殻で構成。従来埋め捨てにしていた掘進機内蔵部を発進立坑側に回収して再利用できます。
アール・アンド・シー(R&C)工法
走行する列車や車の流れを阻害することなく、非開削の路線化横断構造物施工。矩形断面のパイプルーフで軌道荷重や道路荷重を受けた後、布設する函体の上面を箱型ルーフの上面に一致させ、箱型ルーフを押し抜きながら函体を推進(または牽引)する工法です。
シールド情報統合管理システム
①セグメント情報管理、②資材管理、③受入検査管理、④路面変状管理、⑤写真管理を一元化したシステム。施工時のトラブル防止や品質向上が図れるだけでなく、維持管理に有効な情報を記録することで、ライフサイクルコストの縮減が可能です。
シールド切羽可視化システム
シールド機面板に取り付けた加速度センサーの計測値を利用した地盤評価手法を応用し、切羽の地質を面的・連続的に評価するシステムです。切羽地盤を可視化することで、地質の面的な評価が容易となり、その変化に対応した適切な掘進管理が可能となります。
AIを用いたシールドの掘進管理
シールド工法の掘進管理において、熟練オペレータと同等以上の最適な方向制御を支援するシステムです。シールド掘進時のデータを学習させたAIモデルを活用し、これから掘進する6リング分の到達点を予測します。現場特性に合った高精度な方向予測を高頻度で行うことが可能になり、シールド掘進における線形精度の向上および品質管理の効率化を実現します。
SAR衛星による地表面変位測量
地球を周回するレーダー衛星の一種であるSAR衛星から地表に向けてマイクロ波を照射し、その反射波を受信することで対象物の変位を観測する技術です。シールド工事において、シールド機直上の地表面変位だけでなく、全ルートの変位を面的にレベル測量と同等の高い精度で計測することができます。マイクロ波を利用しているため、天候に左右されることなく、計画的な計測管理が可能です。
連続計測式テールクリアランス計
高精度の回転角度センサーにより、リアルタイムにシールド機のスキンプレート内面とセグメント背面の距離(テールクリアランス量)の計測が可能な計測器です。高精度にテールクリアランス量を管理することにより、シールド機のテール部とセグメントの競りによるセグメントの割れ・欠けを防止し、一次覆工の品質を向上させます。
小口径鋼矢板円形立坑築造工法
鋼矢板土留壁により円形の立坑を築造する工法です。鋼矢板の圧入機に専用のアタッチメントを取付けることにより、最小で直径7.6mの円形打設が可能です。
スリーエフ(Flow Fill Foam)中詰材
流動性・充填性・透気性に優れたガスパイプライン工事用中詰材です。内径1,100mmの推進管内に外径900mmのガス管を設置する場合に、延長500mを一度に充填する作業に必要な7時間を超えても材料分離を生じることなく、優れた流動性を維持し、硬化後には高い透気性を有しています。これによりガスパイプライン敷設工事の工期短縮やコスト削減が可能です。
シールド工事における重金属含有掘削土の浄化技術
泥水式シールド工事において、一次処理土を分級洗浄した後の細粒分を含む泥水を中性に調整した後、鉄粉を混合・撹拌し、泥水中の重金属を吸着した鉄粉を磁力選別機により回収することで、土壌中の砒素や鉛等の重金属を除去する浄化技術です。