土木事業
土木本部長メッセージ
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2023年度の土木事業の業績は、売上高が2022年度と比べ微増にとどまったものの、売上総利益が過去10年で最高となりました。
今後の事業環境については、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の推進や設備投資が堅調さを維持することが予想され、建設投資は前年度と比べて微増となる見通しとなっていますが、材料費・エネルギーコストの高止まりや技能労働者の不足が懸念されることから、動向を注視する必要があります。また、建設事業においても時間外労働の上限規制が適用されることから、その対応が喫緊の課題となります。
このような情勢のなか、社会の信頼や多様化するニーズに応えるべく、生産性向上に資する組織体制構築や業務改革、技術力・現場力強化のための人材育成や工事所支援等の施策を推し進めていきます。
土木事業の業績(個別)
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売上高・売上総利益(率)
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売上工種別内訳(2023年度)
土木事業の主な取り組み・事業環境認識
道路、鉄道、河川、上・下水道、エネルギー施設などの社会インフラ整備、防災・減災に資する国土強靭化やインフラ長寿命化に関連する事業に取り組んでいます。新技術の開発・導入を推進し、人々の生活に欠かせない良質な社会資本の整備・形成に貢献していきます。「中期経営計画(2022~2024年度)」に基づき、以下の施策に取り組みます。
- ICTやBIM/CIM活用等による生産性・品質の向上
- 顧客ニーズに即した技術開発の推進
- 利益向上に資する取り組みの推進
- 脱炭素社会に寄与する取り組みの推進
- 技術提案力・価格競争力の向上
- 工事所における業務効率化の推進
- 現場の4週8閉所に向けた取り組みの強化
- 技術力向上に資する人材の育成
- 安全意識の強化による労働災害の撲滅
- シールド、山岳トンネルにおける豊富な施工実績と技術力
- 鉄道、電力、工場など民間土木工事の施工実績と経験に基づく提案力
- 「 誠実施工」を信条とした現場力
- グループ会社である奥村機械製作(株)の活用による機動力
- 時間外労働の上限規制、少子高齢化等による建設業の担い手不足
- 国際情勢の不安定化や急激な為替変動等による建設コストの上昇
- インフラ維持・更新市場が拡大する反面、新設市場が縮小
- 自然災害の激甚化
- 防災・減災、国土強靭化政策にともない堅調に推移する公共投資
- インフラ老朽化にともなう維持・更新市場の拡大
- カーボンニュートラル実現に向けた関連市場の拡大
- 生産性向上に資する新技術への需要の高まり
2023年度の主な完成工事(土木)
鉄道:阪神大阪梅田駅改良工事(大阪市北区)
鉄道:相鉄・東急直通線、新横浜トンネル(横浜市港北区)
道路:一般国道168号 阪本工区(仮称)阪本トンネル工事(奈良県五條市)
鉄道:仙台貨物ターミナル駅移転に伴う函渠新設工事(仙台市宮城野区)
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シールド工事における材料管理業務を効率化
~工事所のノンコア業務を支援して時間外労働を削減~相模原市では、リニア中央新幹線をはじめ、産業開発が急激に進んでいることから、電力供給量の不足が予想されています。産業施設等に安定した電力を供給するため、変電所間を地中送電線管路(4,821m)で連系させる工事を当社が施工しています。
シールド工事では、狭隘なヤードのなかで使用材料の搬入が高頻度で行われます。そのため、工事所職員は進捗に応じて搬入計画を立て、在庫確認、注文などの材料管理を行っています。シールド工事の職員は、日々の掘進作業終了後にこれらの業務を行うため、時間外労働が常態化してしまう課題がありました。
BPOからのチャット連絡を工事所職員が確認
そこで、現場における材料管理の一部をビジネス・プロセス・アウトソーシング(以下、BPO)で外部委託する取り組みを行いました。シールド工事で使用する材料(セグメント、裏込材、配管・レール等)は、進捗によって使用数量を把握しやすいことに着目し、材料管理業務の内、使用実績の記録と搬入計画、注文、受払簿作成をBPOにより支援することにしました。結果、従来の業務を変えることなく、役割分担により工事所業務を確実に分散することができました。また、他工事への水平展開も容易であることから、複数の工事所が導入することにより高い相乗効果が期待できます。このように、BPOを活用しながら、工事所のノンコア業務を支援していくことで、職員の負担、時間外労働の削減につなげています
工事名:相模原市上溝付近管路新設工事
施工場所:相模原市中央区