3つの取り組み
業務改革推進プロジェクトは、2021年度から活動を開始し、1人当たりの生産性向上を目指し、時間外労働削減につながる業務の見直しに取り組みました。プロジェクトは、土木、建築、事務、人事、ICTの各分野から構成されており、従来の工事所業務のあり方を大きく変革する基盤づくりに取り組みました。2024年度より工事所支援を行う専門組織を設け、組織的に支援できる体制を整え、生産性の向上、働き方改革を推進していきます。
業務改革推進プロジェクトが目指したこと
2024年度から適用となる時間外労働時間の罰則付き上限規制に対応した業務改革の実現に向けて、全社的に現行の業務プロセスのあり方を根本的に見直すための構造的な変革を、3つの戦略に則り実現しました。
業務改革を通じて、事業戦略である「人的資源の活用」を推進し、従来工事所が行っていた業務を、「コア業務」、「ノンコア業務」の区別だけでなく、「工事所でしかできない業務」と「工事所以外でもできる業務」に分類して、業務プロセスの整理と、工事所(技術)、工事所(事務)、専門組織、外部委託(BPO)と役割分担を再定義することで、工事所業務の軽減を目指しました。
業務プロセスの整理をするにあたり、DX推進のため、新たに導入を進めてきたシステムを活用することを基本とし、これまで各々の工事所で採用されていた個別のシステムを統一することで、活用促進を図りました。
業務プロセスの整理と役割分担の明確化により、以下の効果が期待されます。
工事所の支援を行う専門組織の設置
社内業務分掌を含め抜本的に業務の役割分担を見直すことで、工事所以外でもできる業務を店内に集約し、効率的に実施するための体制を構築して、工事所職員が専門性の高い業務に注力できる環境を整えました。
具体的には、土木事業、建築事業のみならず事務分野においても、それぞれの組織に支援を専門とする部署を設置し、最適化された役割分担に基づいて、工事所の業務を店内から支援する体制を整えました。
専門組織が工事所業務に積極的に関与し、優れた技術情報の蓄積と水平展開を促進することで、工事所の業務量削減および品質確保を図り、働き方改革ならびに当社の業績向上を目指しています。
- 専門組織内での打合せ状況
外部委託(BPO)による支援体制の強化
工事所業務の支援対象範囲を広げるために、店内専門組織の職員だけでなく、外部委託(BPO)を有効活用しています。
従来の施工管理における業務プロセスを見直したことにより、写真整理や書類作成等の複数工事所で類似する業務について、外部のBPO企業にこれらの業務を担っていただくことが可能になりました。
全国の工事所を対象に、業務の知見を有した専門部署の職員が中心となり、外部委託(BPO)業者と連携して業務に取り組める仕組みを構築し、工事所以外でもできる業務を幅広く支援することで、工事所職員がコア業務に注力できる環境を創出し生産性の向上に努めています。
土木事業における現場の声
どんな支援を受けたの?
施工管理のツールの導入の支援、日常的に発生する書類の作成や整理、作図業務、数量計算など
支援を受けた感想は?
定常的に業務のサポートを受けられ、属人化しがちな業務も店内専門組織の支援により定型化が促進され、若手職員にも分かりやすい形にできました。工事所がコア業務に注力でき、技術の伝承にもつながる可能性を感じました。
西日本支社九州支店土木部
末広推進工事所長
足立 康宏
建築事業における現場の声
どんな支援を受けたの?
施工計画書作成、工事写真整理、会議議事録作成、施工図業務、購買業務、発注者および社内報告資料作成、検査・内覧会への人員支援など
支援を受けた感想は?
工事支援を前提とした現場であったことから、工事所長や主任が行う専門性が高い業務も支援対象であり、規模に対してより少人数での施工を実施できました。従来の業務分掌にとらわれない業務の役割分担が重要だと感じました。
西日本支社関西建築第3部
近鉄東桜町住宅工事所長
杉岡 秀紀