奥村組
SUSTAINABILITYサステナビリティ

3つの取り組み

特集3 DX推進による技術力と生産性の向上

近年、ICTの進歩により建設分野においても、これまで把握困難であった情報が容易に取得できるようになり、全く新しい施工管理手法が実現しつつあります。異業種パートナーとも積極的に連携し、BIM/CIMやICTの活用に取り組むことで、技術力と生産性の向上を目指します。

1施工影響XRシステム
~地盤改良施工進捗と沈下計データをリアルタイムにXRで可視化~

地盤改良の施工進捗と、動態観測のために周囲に設置された沈下計の計測データを、XR(仮想空間画像処理)技術を用いて、リアルタイムに現地表示できるシステムを開発しました。地盤改良の施工にともなう周辺地盤への影響をリアルタイムに可視化することで、監視業務の効率化や、地盤沈下等公衆災害の防止に寄与します。施工機械の掘削深度情報をもとに、リアルタイムに削孔位置等の施工進捗をモバイル端末や装着型デバイスの画面上に表示します。これにより、監視業務の担当職員は、電話などを用いて施工機械側の担当者と施工中の進捗状況をリアルタイムに確認し合う必要がなくなります。また、実際に目視できない施工位置を確認できるため、監視すべき対象が明確となります。また、沈下計が設置されている位置に重ねて、鉛直変位量がリアルタイムに画面上に表示されるため、異常箇所を一目で把握し、早急な対応が可能になります。今後は、沈下計以外のセンサとの連携を図るなど、実用化に向けた開発を進めていきます。

  • 施工データと計測データを同時に可視化
  • 装着型デバイスを利用した監視業務

2維持管理BIMの合理化と迅速化

建築分野におけるBIM活用は実用領域に入ってきており、業務基盤としてのBIM活用を目指し、個別技術から統合技術へステップアップを続けています。BIM活用の優位性はデータベースにあり、設計から施工、維持管理まで、必要な情報をBIMモデルに付与してシームレスに連携させる取り組みを進めています。
BIMモデルには無制限にデータを蓄積することができますが、維持管理BIMにおいては、データをオブジェクトごとに個別に設定する従来の手法に加え、膨大なデータベースから用途別に床面積、天井高、室用途などの必要最低限の基本データを抽出したスペースモデルと名付けた合理的空間モデルの生成技術(合理化手法)の開発に取り組んでいます。

国土交通省の令和4年度「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業(先導事業者型)」へ参画し、既存建物のBIMモデルを迅速に構築し、維持管理BIMシステムへ合理的に連携する合理化手法の検証を行いました。具体的には、LiDARカメラにより取得した点群データから床、壁、天井をAIで識別し、スペースモデル適用情報として取り出しました。現在はスペースモデルへ更新周期や修繕単価など維持管理において最低限必要となるデータを付与するシステムの構築を進めています。この合理化手法によるスペースモデル生成により、既存建物の長期修繕計画案を容易に作成することが可能となり、簡単な操作により概算の修繕費用を算出できるようになります。今後もシステム構築を進め、お客さまの要望に対して迅速に対応できる体制づくりに努めます。

既存建物の長期修繕計画BIMモデル利用

令和4年度BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業 「維持管理BIMシステムの高度化・迅速化の検証」

一般社団法人 日本建設業連合会
ENAA 一般財団法人エンジニアリング協会
公益社団法人 土木学会
一般社団法人日本建築学会
一般社団法人 日本建設業連合会
ENAA 一般財団法人エンジニアリング協会
公益社団法人 土木学会
一般社団法人日本建築学会